大腸カメラ

大腸カメラ(大腸内視鏡検査)について

大腸カメラ(大腸内視鏡検査)について内視鏡は細いスコープを挿入して、体内の状態を直接観察できるものです。大腸内視鏡検査では、大腸の粘膜の状態を観察できる他に、組織の採取も可能であり、検査と同時に前がん病変であるポリープや早期大腸がんの切除も行えます。自覚症状の全くない大腸がんの初期発見に有効な唯一の検査であり、数多くの大腸疾患を正確に診断するためには不可欠な検査です。

大腸カメラの特徴

特徴1 最新内視鏡システム『レザリオ7000』を導入

当院は、最新内視鏡システム『レザリオ7000』(富士フィルム社)を導入し、大腸カメラ検査を行っております。

BLI(Blue Laser Imaging)

LCI(Linked Color Imaging)

レザリオ7000には、「BLI(Blue Laser Imaging)」や「LCI(Linked Color Imaging)」の機能が備わっています。2つの異なるレーザー光線により、粘膜表層の毛細血管や深層部の血管を強調することで、微細な病変や早期の胃がんも見逃しなく診断をおこなうことができます。
気になる病変は、拡大観察してハイビジョンモニターに鮮明なデータを映し出すことができるため、より正確な診断をおこなう事が可能となります。

特徴2 鎮静剤を使用した無痛内視鏡検査に対応

鎮痛剤を使用した無痛内視鏡検査に対応内視鏡検査にご不安がある方のために、鎮静剤を用いてウトウトしている間に検査を行う無痛内視鏡検査を導入しています。使用する薬剤のプロポフォールは、効果が早く現れ、点滴をやめるとすぐに目覚めるという特性を持っています。また、当院では微量注入器JMS シリンジポンプSP-505という機器を使用して、必要最小限の薬剤使用にとどめており、呼吸や血中酸素飽和度を常に監視しながら行っています。
なお、鎮静剤を用いた無痛の大腸内視鏡検査は、毎月第1水曜日(変更あり)の午前中、予約にて承っております。

特徴3 楽に受けて頂けるように細部にまで気を配ります

楽に受けて頂けるように細部にまで気を配ります内視鏡検査は、技術や経験だけでなく、きめ細かい配慮が患者様のご負担に大きくかかわっています。とてもデリケートな手技を必要とする検査ですから、患者様の様子などにしっかり目配りして、丁寧に行うことを心がけています。もちろん、経験の豊富な内視鏡専門医が、ご負担を大幅に軽減できる最新機器を用いて高精細な検査をより短時間に行っています。その上で苦痛や不快感なく受けていただけるよう、さまざまな工夫や対応を行っておりますので、安心していらしてください。

特徴4 苦痛の少ない挿入法

当院では腸管を伸ばさないようにその都度腸管を折りたたんで進めていく軸保持短縮法という挿入法を取り入れています。軸保持短縮法は体への苦痛や負担が少なくて、安全に楽に内視鏡検査を受けられるというメリットがあります。内視鏡を進めては戻し、戻しては進めるという動作を繰り返しながら少しずつ腸を折りたたみ、直線的にカメラが進むため痛みを最小限にすることが可能です。

 

特徴5 衛生管理の徹底

衛生管理の徹底医療機器を介した病原体の感染を起こさないために、当院では検査ごとに内視鏡自動洗浄器による洗浄と消毒を徹底して行っております。
当院の内視鏡洗浄器はクリーントップWM-SⅡ、カイゲンファーマ社製を使用しています。内視鏡検査を介して大腸菌O-157やピロリ菌などの細菌、肝炎ウイルスなどの病原体の感染の感染を防ぎます。消毒の際に使用する強酸性電解水は、安全性と環境への配慮に優れています。安心して内視鏡検査をお受けいただけます。

こんな不調に気付いたら、早めに大腸カメラを受けましょう

こんな不調に気付いたら、早めに大腸カメラを受けましょう

  • お腹が痛いことがある
  • お腹が張りやすい
  • 残便感がある
  • 排便してもすっきりしない
  • よく下痢や便秘になる
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 以前より便が細くなった
  • 排便回数が増えている
  • 血便や粘液が混じった便がある
  • お腹にしこりがある
  • 急に体重が減った

大腸カメラでわかる疾患

大腸がん

大腸がん日本では大腸がんによる死亡原因が男女ともに上位にあがっています。近年、大腸がんの患者が増加傾向にあるのは、食生活や生活スタイルの欧米化が関係していると考えられています。早期に発見して内視鏡で切除することで大腸がんは完治可能ですが、進行するまで自覚症状がほとんどないため気付いたときには手遅れになるケースがあります。便潜血検査では見逃してしまう早期の大腸がんも内視鏡検査であれば発見した場合にはすぐに治療を開始したり、大腸ポリープがガン化する前に切除する大腸がん予防も可能です。定期的な内視鏡検査が普及したら大腸がんで亡くなる方を減らすことができます。便潜血検査が陰性でも、大腸がんリスクが上がる40歳を超えたら定期的な大腸内視鏡検査をおすすめします。

進行大腸がん

大腸がんが進行してがんが粘膜のより深い場所に侵入している状態です。リンパ節や他の臓器への転移の可能性が高まり、手遅れになることもあります。手術や抗がん剤治療など、入院が必要で生活やお仕事に大きな影響を与える治療が必要になります。

大腸腺腫(大腸ポリープ)

大腸がんになる前の前がん病変である良性のポリープです。放置していると徐々に大きくなったり、がんになることがありますので、ポリープの段階で内視鏡検査の際に切除しておけば大腸がん予防につながります。

大腸憩室症

憩室は袋状になった組織で、大腸憩室症は大腸壁の一部分が袋状なっている状態です。そのままであれば特に症状はありませんが、炎症を起こした場合には腹痛や出血による下血などの症状が現れます。憩室に炎症を起こした状態は憩室炎と呼ばれています。憩室があるとポリープもできやすい傾向があるため、定期的な内視鏡検査が必要です。憩室は日本人の約10%に見られるとされており、食生活の欧米化によって近年増えてきています。憩室を増加させないために、食生活を見直すことも重要です。

潰瘍性大腸炎

大腸粘膜が慢性的な炎症によりびらんや潰瘍を起こす病気です。主な症状は腹痛、下痢、下血で、回復する寛解期、症状が現れる再燃期を繰り返します。進行すると便に粘液や膿が混じるようになります。原因不明で完治を見込める治療法がないため難病指定されている病気ですが、適切な治療を持続することで寛解状態を長く保つことができます。初期には大腸の肛門寄りから炎症が起こり、進行につれて炎症が上に広がっていきます。炎症の範囲が広がると治療が難しくなっていくため、寛解期にも適切な治療を続け、炎症の範囲が広がらないようにすることが重要です。なお、長期間の炎症は大腸がんリスクを上昇させるため、継続的な治療に加えて定期的な内視鏡検査も不可欠です。
千人に1人が発症するとされており、それほど珍しい病気ではありません。20歳代の発症が最も多いという報告がありますが、幅広い世代に発症が認められます。消化器専門医を受診して寛解期を長く保つようコントロールを続けることで、普通の生活を送ることができます。

直腸カルチノイド

カルチノイドはゆっくり大きくなる腫瘍で、大腸のカルチノイドのほとんどは直腸に生じます。大きさによって良性と悪性に分けられ、転移を起こしやすいのは10mm以上です。早期発見が重要ですが、かなり発症頻度が低いため消化器専門医による内視鏡検査を受けることをおすすめします。

直腸潰瘍

浅い潰瘍ができる病気で直腸下部に多く発症します。下血が主な症状で、痛みは通常ありません。潰瘍から大量に出血して貧血を起こすこともあります。基礎疾患や血流低下がある高齢者の発症が多く、適切な止血処理が重要です。

大腸脂肪腫

脂肪腫は皮膚にできやすいものですが、腸壁など腹腔内にできることもまれにあります。大腸脂肪腫は腸壁の脂肪組織が腫瘍になったもので、ほとんどが良性で腸重積症や腸閉塞症を起こすことも少ないとされています。

大腸メラノーシス

大腸黒皮症とも呼ばれており、大腸粘膜が色素沈着を起こしている状態です。これはセンナ・大黄・アロエなどを含むアントラキノン系下剤の長期間服用で起こります。色の変化だけでなく、大腸の神経細胞もダメージを受けているため腸の働きが弱まり、便秘の症状がよりひどくなってしまいます。消化器科の便秘外来では、この数年で次々に登場している新しい作用を持った便秘薬をはじめ、便秘のタイプや腸の状態にきめ細かく合わせた治療が可能です。

40歳を過ぎたら一度内視鏡検査を受けましょう

大腸がんの年代別発症頻度は、40歳から上昇しはじめ、60歳代にピークを迎えます。前がん病変である大腸ポリープを発見し、内視鏡的切除で大腸がん予防を行うためには、リスクが上昇しはじめる40歳から定期的な内視鏡検査を受けることが有効です。また、血縁者に大腸がんになった方がいる場合には、30歳代からの内視鏡検査をおすすめしています。

特に大腸がんのリスクが高い方

  • 大腸ポリープがある方
  • 血縁者に大腸がんを患った人がいる
  • 食事が油もの・お肉中心
  • がんの既往歴がある
  • クローン病や潰瘍性大腸炎といった大腸疾患がある

大腸がん予防のための大腸ポリープ切除

大腸ポリープは良性ですが、成長して大きくなるとがん化することがあるため、前がん病変とされています。内視鏡検査では大腸ポリープの発見・切除まで行えますから、検査自体が大腸がん予防になります。またすでにがん化している場合でも早期の段階であれば内視鏡検査時に切除可能です。検査時に切除できるサイズは、10㎜以下が目安となります。これより大きいポリープや、数が多い場合などでは検査時の切除ができないこともあります。

 

腸管洗浄剤について

大腸内視鏡検査では、腸の粘膜をすみずみまで観察します。腸になにか残っているとその部分を見落としてしまう可能性があるため、検査の前に腸内をきれいにしておく必要があります。腸を空っぽにするために服用するのが腸管洗浄剤です。2時間程度の間に2リットルを飲むため、これが苦手という方もよくいらっしゃいます。特に味や香り、舌触りが好みではないと大量に飲むのは余計につらくなります。
当院では、数ある腸管洗浄剤から服用しやすいニフレックをご用意しています。

 

二フレック
服用方法 パック内に2リットルの水をいれたものを2時間かけて飲んでいただきます。
レモン風味
特徴 作り方が簡単で、腸内がきれいになりやすく正確な検査や粘膜の観察が可能となります。腸内で吸収されないので、体内へ影響を及ぼす可能性が低いとされています。

大腸内視鏡検査の前処置について

当院では、大腸内視鏡検査の前処置をご自宅にて行っていただきます。
ご自宅で行うことにより、ストレスなくリラックスしてお過ごしいただけます。※前処置は検査予約時に説明させて頂きます。

大腸カメラを受ける際の注意点

スケジュール決定の注意点

大腸内視鏡検査では腸の中をきれいにしてから行いますので、その準備を前日から始める必要があります。前日の食事内容に制限がありますので、会食や飲み会などのスケジュールがない日を選ぶようおすすめしています。
前日は食物繊維が少なく消化しやすい食事をして、寝る前に下剤を服用します。後は、当日ご自宅にて腸管洗浄剤を飲み、腸内をきれいにします。検査日はこうした準備の内容を考慮して無理のないスケジュールで受けられるように決めてください。

検査前日の注意点

食事では、食物繊維の多い野菜や果物、海藻、キノコ、こんにゃく、ゴマをはじめとしたナッツ類などの消化が悪いものを避けます。
検査のため、大腸の中を空っぽにする準備を行います。
夕食は夜7時までに済ませてください。

検査の流れ

1.受診・血液検査・ご予約

受診・血液検査・ご予約安全に、そして快適に検査を受けていただくため、検査前の受診をお願いしています。
診察を行い、大腸内視鏡検査経験の有無、アレルギー歴や薬の服用などについて伺います。
内視鏡検査の説明にご納得頂けましたら、承諾書にサインをお願いします。
その後、感染症(肝炎等)の有無を調べる血液検査や腹部レントゲン検査を行い、検査の予約をお取りします。

2.検査前日

検査前日は、検査のため大腸の中を空っぽにする準備が必要です。
消化のいいものを少なめに食べるようにします。なお、夕食は夜7時までに済ませてください。
22:00にラキソベロン液を服用し、早めに就寝してください。

3.検査当日

検査当日検査日の朝食・昼食は召し上がらないでください。ご自宅にて腸管洗浄剤を服用いただき、腸内が空になりましたら
ご予約時間までに受付にお越しください。

なお、検査終了まで食事はできません。水分補給は水かお茶のみ可能です。

4.着替え

検査着に着替えましたら、身体の左を下にしてベッドに横になります。

5.検査

検査おしりにゼリー状の麻酔薬を塗り、内視鏡のスコープを慎重に挿入し、ゆっくり丁寧に進めていきます。過去の手術で腸に癒着が起きている場合には、痛みが出ることがありますが、その際には遠慮なくお伝えください。なお、お身体の力を抜くと痛みが出にくくなります。
大腸の一番奥まで内視鏡を進め、ゆっくり引き戻しながら腸粘膜を隅々まで確認していきます。検査中に患者様もモニターをご覧いただけますので、ご質問があればなんでもお尋ねください。
ポリープが発見され切除が適切であると判断されたら切除を行います。なお、切除に関しては事前にご同意いただいている場合のみ行っています。切除したポリープは回収し、良性か悪性かを判断する病理検査を行います。

6.ご説明

ご説明検査後、モニターで画像をご覧いただきながら、医師が結果を説明します。異常がなかった場合には、すぐに通常のお食事が可能です。なお、病理検査の結果は後日ご来院いただいてお伝えします。

検査費用

大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
1割負担 約2,000円
3割負担 約6,000円
大腸カメラ+ポリープ切除(1部位)
1割負担 約9,000円
3割負担 約24,000円
大腸カメラ+ポリープ切除(2部位)
1割負担 約10,000円
3割負担 約27,000円
大腸カメラ+ポリープ切除(3部位)
1割負担 約11,000円
3割負担 約30,000円
TEL:027-372-8060
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